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八万寿茶園(小瀬田)

愛子岳の麓、多様な命息づく無農薬、有機栽培の茶畑

 青々とした茶樹の足元には、柔らかなシダにカタバミ、オニタビラコにヘビイチゴ。
 除草剤を使っていない畑特有の緑のグラデーションが広がっています。
 長年、刈り取っては、敷き詰められた野草たちは、フカフカと気持ちのいい腐葉土となって茶樹の成長を支えます。

 屋久島の東部、長峰地区。渡邉万吉社長が、友人たちと共に原野だったこの地を手に入れたのは1985年。秀峰、愛子岳の麓、寒暖差が大きく、朝霧が美しいこの地は、周囲に田畑や住宅がなく、茶の有機栽培に取り組むのにうってつけの場所でした。

 八万寿茶園では、開園当初から無農薬、有機栽培を実践しており、2001年には茶工場を含む茶園全域にわたって有機JAS認定を取得。種子島発祥といわれる希少品種「くりたわせ」「ゆたかみどり」など7品種を栽培しています。

 同園での一番茶の茶摘みは、例年、3月末ごろ。
 立春から数えて88日目、本州で茶摘みを始める目安とされる八十八夜(2024年は5月1日)より1カ月ほど早くなります。

 現在、茶園を取り仕切っているのは、2代目に当たる桂太さんと麻里子さん。
 ふたりとも、ライブハウスの元PA(音響の技術者)という異色の経歴で、2017年にこの島にUターンして以来、栽培や製造の技術を身につけながら、新商品の開発、パッケージの見直し、直売所のリニューアルなど、意欲的に取り組んでいます。

 通販で取り扱われるのは、定番の「有機屋久島茶」の他に、茶葉の栄養を丸ごと摂れ、製菓材料にも便利な粉末茶、「和紅茶」として紅茶専門店でも人気の「有機紅茶」。また、自社の緑茶を使った菓子や茶そば、屋久島産の玄米をブレンドした玄米茶といった、オリジナル商品も並びます。
 また、同園が厳選したお茶受けにぴったりの郷土菓子は、口に入るものに対する真面目な姿勢がうかがえるセレクションで、昔ながらの素朴な菓子やナチュラルな素材の菓子など、各製菓店の菓子を少量ずつ組み合わせて購入できるのも、魅力となっています。

屋久島町小瀬田532-24
TEL. 0997-43-5330
営業時間:8時30分〜17時
定休日:なし